大きな森に住んでいた キツネは小さく怖がりだった 隠れるように暮らしていた 暗い夜に光る星の灯りは あたりを明るく照らしてくれる たった一人の友達だった 雨降りだって大丈夫 無邪気に駆けて踊っていた ところがある日星は消えて あたりは冷たく真っ暗で こころ細くてたまらなくて 穴から出られず丸くなった いつまで待っても変わらなくて 勇気がなくてダメだった どんなに呼んでも戻らなくて とうとう穴から飛び出した 星を探しにいこう 燃えるように輝く 暗い森の中 キツネは一人 走る 夜を駆けていく 森の虫やウサギに聞いてみたが 誰も知らない見たことがない 大きな声で泣いてみたが 誰にも届かず答えはない それでも歩くのをやめないで どうしていなくなったんだろう もう一度静かに尋ねてみる さよならしてきた全てのもの ねえ 星を探しにいこう 燃えるように輝く 静けさの中 キツネは一人 走る 夜を駆けていく 冬になって 寒くなって はらはら落ちる葉っぱ ざわめきに耳を澄まして 見上げてごらん ほら そう 星を探しにいこう 燃えるように輝く 星宙の中 キツネは一人 走る 夜を駆けていく 走る
