ニューヨークは粉雪の中らしい 成田からの便はまだ まにあうだろうか 片っぱしから友達に借りまくれば 決して行けない場所でもないだろう ニューヨークぐらい なのに 永遠の嘘を聞きたくて 今日もまだこの街で酔っている 永遠の嘘を聞きたくて 今はまだ二人とも旅の途中だと 君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ 永遠の嘘をついてくれ なにもかも愛ゆえのことだったと 言ってくれ この国を見限ってやるのは 俺のほうだと 追われながらほざいた 友からの手紙には 上海の裏街で病んでいると 見知らぬ誰かの 下手な代筆文字 なのに 永遠の嘘をつきたくて 探しには来るなと結んでいる 永遠の嘘をつきたくて 今はまだ僕たちは旅の途中だと 君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ 永遠の嘘をついてくれ 一度は夢を見せてくれた 君じゃないか 傷ついた獣たちは 最後の力で牙をむく 放っておいてくれと 最後の力で嘘をつく 嘘をつけ永遠のさよならのかわりに やりきれない事実のかわりに たとえ くり返し何故と尋ねても 振り払え風のようにあざやかに 人はみな望む答えだけを 聞けるまで尋ね続けて しまうものだから 君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ 永遠の嘘をついてくれ 出会わなければよかった人など ないと笑ってくれ 君よ 永遠の嘘をついてくれ いつまでも種明かしをしないでくれ 永遠の嘘をついてくれ 出会わなければよかった人など ないと笑ってくれ