その花は 食べられぬ果実を隠すかのように 細長く逆剥ける 棘を辺り延わせた 加速続ける枠組みされた都市で 自らに酔いしれる鎧など要るのか 解き放て 眠りに就いたすべての勇者よ 地を這い 掻き崩した あなたに報いを あたたかな光り遮る棘を落として 裸で摘み採られる その美しさを 吠え立てて抗えど道は挟む一方で 張り上げた声すらも恥じて遠くかき消える 過ぎ去っていく群集の傍らで 立ち止まり俯いて足下を眺めた 解き放て 雲に隠れるすべての雄姿よ 地を這い 停まるより 新たな記憶を 誰が為に花は芽生えて 舞い散るものかを 素足で踏み捕える その逞しさを 加速は止まぬ あなたの意に背いて 自らに酔いしれる時間などあるのか 解き放て 眠りに就いたすべての勇者よ 地を這い 掻き崩した あなたに報いを あたたかな 陽の射す丘を 穏やかな夜を 裸で摘み採られる その美しさで