駅から少し歩いた場所 明かりの点かない裏通り その部屋の合鍵を ポケットで握るたび 罪の温度に手が震えた 写真に映る “本当のあなた” 奥さんの手を取るその笑顔 知らないフリ 慣れたつもりだった だけど心が 置いてけぼりだった 「ダレにも言わないよ」って あなたが笑った夜のはじまり 「愛してる」は言えない だから私は 信じるしかなかった 窓も開けずに 名前も呼べずに この恋は隠し部屋のまま ただ会えるだけで 嬉しかったのに 笑うたび 涙こぼれそうだった もし生まれ変わったら 最初の恋にしてほしい 堂々と手をつないで 晴れた道を歩きたい それでも今の私が 選んだのは この闇でも あなたなんだ 窓の向こうで 誰かが眠る その隣に あなたはいる いつも通りの夜が きっと来るけど 私の朝は まだ来ないまま 名前も呼べずに 窓を見上げた その奥に 光を探してた 誰にも見せない この恋だけど 本物だったって 胸張れるよ
