「突然だけど明日僕は この街をさらなきゃいけない 君と離れたくなんかないのに 大きな力に引き裂かれてしまう だけどどうしても君が好きなんだ 今日のうちに一緒に逃げ出そう」 「こんなことになると知らず昨日 僕は君を驚かせようと贈り物を 僕らの宝物に隠したんだ 君の薬指に似合うはずだ」 「一緒に来てくれるのなら 指輪をつけてあの場所へ 不自由させないとは言えないけど 何にも縛られず愛し合えるよ」 あなたからの留守番電話 着信はほんの少し前 かけ直しても繋がらないのは そうまでしないと 逃げられないから? 私たちの関係は最初から 運命に壊されるものだった 私はどこへでも行くわ あなたと一緒なら大丈夫だから でも私にとって 全てがあなたとの宝物 贈り物は一体どこなの? 自転車にまたがり走り出す ペダルに乗せた両足は 考えるより血が巡るより早く チェーンが軋む音が響く 一緒に選んだものとか… 一緒に見たもの全部 かき集めて持っていく 全部が私の宝物だから 汗と涙で滲んだ視界が 一瞬私の時間を奪う 私の自転車の前輪が 大きな音を立てた 誰かにぶつかってしまった ごめんなさい、 でも足は止められないの 罪悪感さえ置き去りに 今はあなたへと走る いつもこの自転車で出かけたよね 公園にも 買い物にも 私たちを運んでくれた わかったわ、あなた 私たちの宝物はこの自転車ね だけどやっぱり見つからないの この自転車のどこに隠したの 私は気がついた さっきぶつかった時に ライトが割れていたことを きっとこの中にあったのね 待ち合わせ場所にいないあなた 私が指輪をしてないせい? 違うの 着いて行きたいの 行かないで お願いだから 僕は君が見える場所にいるよ ライトのフタは開いてるのに 指輪をしてない君が見える 君の答えはもうわかった 話してもきっと辛くなる もう何も言わないで去るよ 心から愛していたよ さようなら 「ありふれた約束をしよう 目に見える将来を誓おう」 「君の薬指に宿れ 僕の命 僕の心 君がそっと耳を当てれば 僕の鼓動が響くほどに」 携帯に残ったあなたの声 あなたはもういない