朝の暗い部屋 留めどなく刺さる 明瞭な青の躯体 かつて消えかけた それまでの生活に 抗原の刃を塗った 息を待つ人は 恐れもなく手を振るね まだ忙しい味方 何もないふりをする 浮つく駅への氷点下 水を閉じ込めて 最低限度の めまいを抑える薬 大気の感じ方 巡るソファー室 手を言霊が横切った 空港の街 カートの網目で見透く 猫の指輪 瞼閉じゆく 最後のレースの行方 見逃す 王様の好きな部屋 内装は軽石の調度で 贅沢な敵だ 倹約の味方だ 息を待つ人は 怖がっても鎌を持つ まだ見えない協会 道標を揉み消して 抱っこの忘れ方 問いかける機械に 有無を言わない失踪