四畳半 片隅で 一人きり ご挨拶 「おはよう」と呟いた 壁一面に広がる貴方(きみ)へ 切ないよ苦しいよ 行き過ぎた哀情よ 明かり点く貴方(きみ)の部屋 でも私 どうしようもなくて ドキドキと高鳴る鼓動 激しい吐息 計測値不能 好きよ好き 大好きよ もっと… 玄関越し 鍵穴覗く 「コッチヲ見テ…」 薄暗い通路際 指折り待ち続けます チカチカ消えかけの灯り 何回(いくつ)数えたろう 扉越し向こう側の 貴方をお迎えします 待てど暮らせど 今夜はお預けなんでしょ? 「私をギュッと抱いて… 苦しくなる程、抱いて…」 嗚呼 こんな想像ばかりじゃ 中身カラッポで 貴方の全てを知って 奥まで全部知って 全てを知り尽くしたのは私だけ 降りしきる雨はまるで 現在(いま)の心情(こころ) 映し出す様 ポルノ的感情など皆無 ただ貴方を手にしたいだけ 「コッチニ来テ…」 薄暗い通路際 指折り待ち続けます チクタク腕時計の針 幾つ刻んだろう 扉越し向こう側の 貴方をお迎えします 「おかえり。」 理性、本能 全て狂ってた ナイフを突き刺す 深く突き刺す 病的な哀が溢れ 泪こぼれた 貴方の血液(あい)を頂戴 奥まで全部頂戴 赤く染まる唇 指で撫でて ただ笑う