誰も居ない教室の 片隅に置かれたノートに あなたの名前を書いては消した ただ気付いて欲しくて 『あなたに会えて良かった』と あなたの前で言えたなら 私の声があなたに届かないのは 臆病で弱虫なウサギだから 桜の花びらがヒラヒラ舞う中で コサージュが似合う あなたは群がる人に紛れ 涙を浮かべながら笑っている そんなあなたを遠くから 見ることしかできない 私はサクラウサギ 明日になればこの気持ちは 消えてしまっているのかな もう二度と見ることのないあなたの 制服姿が眩しくて あなたのことを思うほど 私の顔が熱くなる そんな私にあなたは 気付かないでしょう? 意気地ない泣き虫なウサギなのに 見ることしか出来なかった 三年の月日は決して 独りよがりじゃなかったと 思い続けた時間は 気が遠くなるほど長くて 届いて欲しくて 伝わって欲しくて 想いは溢れてゆく 桜の花びらがヒラヒラ散った頃 あなたに想いを伝えようと 今ある全ての勇気を出して 高鳴る心、脈打つ鼓動、 伝えなきゃ私の想い 桜の花びらが風に乗って運ばれて 私とあなたの髪がなびく 伝えたいと思えば思うほど 涙が言葉を遮って震える唇から こぼれた『ありがとう』 『好き』って言えないサクラウサギ