ゆらゆらと、崩される禊の航路。 船酔いは、未だ慣れずに進む。 鉄塔の立つ町の麓に、海が現れた。 「ほら、 ほら見てあの場所を——。」 くじらはないていた、 くじらがないていた。 「ないたりゆうがわからない」と、 みんな、わらっていた。 踏み台に、乗せられた数々の意図。 船酔いが、治まる頃に止まる。 鼈甲の裏に彫られていた、 二つの記号で、 「ほら、 ほら見てこの場所が——。」 くじらのなきごえは、 くじらのなきごえが、 「ぼくらをとおくへつれてく」と、 みんな、おびえていた。 ラララ、ララララララ、 この場所が——。 くじらはたべられた、 くじらがたべられた。 たべたひとのみにはながさき、 くじらはよろこんだ。 くじらをよんだから、 くじらとよんだから。 縺ヲ縺帙≧縺吶?縺オ縺ュ繧偵 くじらはほほえんだ。