浅瀬で泳いでいたころは まだか弱くて 人目を避けて 息すら透明になるようにって願って じっとしていた 軽やかにのぼっていく 泡が夢みたいに輝いて そこへ向かうことを 願わずにいられなくなるのは 水草の間まで光が届いて 私が私で無くなるような感覚を はじめて覚えてしまったから 呼吸という遺伝子構造を持って 地下深くに潜り込んで この地球が焼ける時も 凍結に覆われた時も ずっと憧れていた いつかあの太陽に 惜しみなく 愛されるため陸に向かう 遠い記憶を思い出すため 愛されるため陸に向かう 弱さは生きる為のナイフなんだ 呼吸という遺伝子構造を持って 地下深くに潜り込んで この地球の病める時も 尽きた命達の悲しみ抱いて 待っていた 待っていた すべては