ひとりでに変わっていく 季節の隙間から覗いているようだ "ひとりがいい" 呟いた君は少し 肌寒そうに肩を竦めている なんとなく鼻先をかいて黙っている 何事なく沈んでいく太陽が まさに燃えているようだ "ひとりでいい?" 問いかけた僕は 些細な何かを見逃している ちゃんと視界に君の顔を映さずに らしくあれと言い放つ世間に どんな花を手向けたらいいかな 色付きだした街路樹を 辿って歩いている そろそろ帰ろうか 人伝に知ったんだ いつだかどこだかの街で 君を見かけたこと 少しでいい、会いたいなぁ あまり綻ばない口元を 思い出している きっと服も髪型も変わったんだろう 今も変わらずひとりでいるのかい? 冷えた指を袖に忍ばせて 微かな遠吠えの響く曇り空を 仰いでいる 人並みに生きてきた 当たり前を当たり前だと思っていた "ひとりはいい" 呟いて 何も望まない口ぶりで少し笑った 僕は嘘を吐いたんだと思っている 嗚呼 誰もが独りよがりだ そんな全ても愛せたらいいよな うまく笑えなくなってしまった 僕は今泣いている