眠らないよ 君が目を覚ますまでは 最後の夜は ひどく長く長い夜だ 震えていた 月明かりが照らすから 気づいてしまった 君も同じだったこと 今ではもう何も 感じ合えなくなったのに 燃え殻 くすぶりながら まだ残るもの 重なり合った ガラスみたいなそれは いつか当たり前になった 絡まり合って 露わになった まるで嘘みたいだ 嘘みたいだ 午前3時 僕らまだ 寝息を立てられずにいた 治りかけの しつこい咳が 不意に重なる 何もなかった 何もなかった 僕に 君が 当たり前をくれた 馬鹿みたいだ 馬鹿みたいだ まるで 重なり合った ガラスみたいなそれは いつか宝物になった 絡まり合って 露わになった まるで 魔法だったのに 嘘みたいだ 嘘みたいだ 嘘みたいだ 眠らないよ 君が眠ってしまうまでは 最後の夜が 音もなく明けて行くよ