誰が塞がれたこの瞳の奥に触れるのだろう 揺れる陽炎の中で見つめていた月が嗤う 耳元で囁き始めるレクイエムの誘惑を 傷つけることでしか抑えられないままで 痛みを闇に攫われた僕は 還ることなど出来はしないから チギレタ薔薇を胸に抱いて 真紅の海に落ちてゆく 重なり合う躰の上で 死ぬまで踊り続ける 痛みを闇に攫われた僕は 還ることなど出来はしないから もがき苦しむ獲物のように 意識は奪われるままに 快楽に溺れて消えてゆく 冷たいこの腕の中で チギレタ薔薇を胸に抱いて 真紅の海に落ちてゆく 重なり合う躰の上で 死ぬまで踊り続ける