やまなみが縁を赤らませて 夕日を抱いているころ出掛けてゆくの 天鵞絨の緞帳があがれば 花火と銃声を合図にサーカスがはじまるのでしょう 軋んだロープに身をゆだねて 小屋のとばりに波打つぶらんこの影 鳴り響くドラムロール音にふるえる肩を静めて ぶらんこをしならせてぎゅっと手をひきよせた 手をつないではまたはぐれて くりかえしめぐり逢う星回りなの とこしえに続くぶらんこ乗り ちぎれそうになる手を握りなおす間に 振り子は遠ざかって消えた 名前を忘れたって形を変えて ふたたび出逢うのでしょう 今はしばしのさらば 手をつないではまたはぐれて くりかえしめぐり逢う星回りなの みかづきのぶらんこにゆられて あと少し手をのばせば指先がふれそう 星屑の緞帳があがれば 花火と流星を合図にサーカスがはじまるのでしょう