裸足の夜には 鋼鉄がはしる 書き殴った日記帳を睨む はみ出した夜には 悪態の応酬 束になってもつれた言葉は 空になったペットボトルのよう 破れそうな やくそくの方眼紙を繋いで むなしくもえる意味は あせるほど逃げてゆく ほらそろそろ明かりが消える頃だ 雪がすべて 覆ってしまえたらいいのにね ざらついた夜には 枯れ木も哀愁 うずくまったその背中には 突き付けた銃口が光る はち切れそうな 胸の奥の鈍塊をこわして ぐらぐらの椅子の脚 ずれたまま欠けてゆく ほらそろそろ明かりが見える頃だ 雪が解けて洗い流せたらいいのにね 嗚呼 陽が射して こわれそうな 窓の外 もう 泣かないで みんなとけて 流れていく 嗚呼 魔が差して 根元まで 腐ったなんて そう 川は海へ 海は空へ つづいている 嗚呼 行かないで どうかそばで 変わらないで もう 帰らないね きみはどこへ 行くのだろうか?
