液体のようにうねる車道 回転する車輪の奥に宿る影 波打つ後続車と信号の隙間から 顔を出す どこまで行けるかわからない この道を西へ ひたすら風に逆らって漕いでゆく 他愛もない会話やめてよ 気が散っちゃって何も手に付かない 弾けた砂の粒を焼いた 視界が真っ逆さまになって 途絶えた時間 影は ねぇ いまどこに いるの? たとえこの手が焼かれようと ただれようとも離しはしないね 海まで走らせたバイシクルを 止めるのはこの風景ぐらいだぜ 消えゆく街に問いかける 陽は落ちてもそこにあるのか 消えゆく背中追いかける 夢の続きは夢で見るものよ 明日の予定を忘れた 昨日までのことも忘れた ニヒルのこめかみをぶち抜いた 痛くも悲しくもないようだ それでもどうにか人間だった 生まれてから死ぬまでのパーティー たとえこの手が焼かれようと ただれようとも離しはしないね 海まで走らせたバイシクルが 止まる前に見た風景が愛しい