早朝5時の始発が 窓の外を揺らしていく 高架橋越しの朝焼け 眠れないまま 明かす夜なんて 今はもう茶飯事だけれど 怖い夢を見る度に 甘えたい幼心に 嘘泣きなんて覚えた 微睡みのなかで 思い出していた日々 私は今 幸せなのに どうして、どうして いつか 老いていくあなたのその背中 超えて生かなきゃ ぎこちない愛が育んだ やがて過去になる今日のためにただ 泣きたい 想いの力だけでは 守れない ものが増えて それでも歳は重ねた 何もないけれど 何もないことが 幸せだと知っていたのに 傷つけ合うときでさえ 離さなかった指先が解けていく 忘れたりしない、ずっと 当たり前が塗り替わる瞬間 どうして、どうして いつか 来るはずの別れの予感を 見て見ぬふりした 昨日より少し痩せた 手のひらに握る体温が今は… どうして、どうして いつか 老いていくあなたのその背中 超えて生かなきゃ ぎこちない愛が育んだ やがて過去になる今日のためにただ 泣きたい