山肌を染めた薄紅が 車窓の向こうに咲き誇る 絹の糸するりとほつれた 心と心の縫い目から 一息で告げた 別離の言葉を 涙押し殺し君は受け取る さだめは僕らをつなぎ さだめは僕らを遠ざける 思い出が次々と しがみついて力尽きて それでも春はふたたび 鮮やかな色に染められて 少しずつ和らいで 時折 寂しげに振り返り 唇を染めた薄紅が 恋を手繰り寄せたあの夜 ひとひらの花びらが踊り なす術無く水面に落ちた 何気ない笑みが 今更愛しい 今宵は誰かの胸の中だろうか さだめは僕らをつなぎ さだめは僕らを遠ざける 思い出が次々と しがみついて力尽きて それでも春はふたたび 鮮やかな色に染められて 少しずつ和らいで 時折 寂しげに振り返り 時折 寂しげに振り返り