窓が開いた 眺むる 下弦の月 あの日から何か違う気配 夜更け前には 辿りついた この部屋 空っぽになってしまった鳥籠 如月の夜 そっと淡く めぐりゆく季節の中で 若過ぎた感覚も錯覚も きっと エナメルのような彼女はロマンス めくるめく季節の中で 変わっていく 変わっていく きっと 外はなき声 うかれ猫 冴返り こんな日がやがてくる気がした 夜明け前には あとにする部屋 空っぽになってしまったまま 如月の夜 そっと淡く めぐりゆく季節の中で 恥じらうその姿 笑い声も きっと エナメルのような彼女はロマンス めくるめく季節の中へ 消えていく 消えていく きっと 2月の空 儚く澄みきった どこからか渡り鳥やってきて 春には ほら何気なく 去っていく 空っぽになってしまった鳥籠 色づき始めた ほのかに 昨日までと少し違う 夜明けが 悲しくもなんだか眩しい 如月の夜 そっと淡く めぐりゆく季節の中で 若過ぎた感覚も錯覚も きっと エナメルのような彼女はロマンス めくるめく季節の中で 変わっていく 変わっていく きっと 窓が開いた 眺める 下弦の月 空っぽになってしまった鳥籠