-夜の波は魔物が居るから -入っちゃいけない ディスカスが囁く 蝉が唳き止む頃 真昼の陽を厭う君だから 隠れてふたり 禁断を犯しに行く 願いはいつも唯ひとつなのに 君を守るために出来る事を探せない 日常という名の靴を脱ぎ捨て 僕は裸足で都会の海へ飛び込む 君が心を閉ざすようになり 何年も経つ 傷跡は 今日も増えた 僕は夜を泳ぐ魚になり 君を守るために出来る事を探した 願いはいつも唯ひとつなのに 再び笑ってくれるだけでいいのに 助けたいと思っていたけど、違う 君を守るにはまず僕が立ち 揺るがないように 泥に足をうずめよう そして 水中に腕を伸ばすなら 君は僕をつたい 地上へと出れるだろう -夜の波は 入っちゃいけない