もう忘れていた 幼い夢のかけら 描いた未来はどこか遠く置いてきた 夕暮れに滲む路地裏 わたしの影がこちらを見てる 「あなたの理想の大人(ひと)は 泣きかたさえも忘れたみたい」 小さく笑うまぼろしは 手を振り影に消えた ねえ 先行き見えないこの道はまだ 夜の向こうへと続いているの? いつからか知らない明日を 遠ざけている 臆病な茜空 記憶を辿って追いかけた帰り道 夕立が通り抜けたら 星降る丘で待ち合わせよう 『今度はきっと行けるわ 少しでいいの 踏み出してみて』 静かに揺れる影法師 手招きしているみたい ねえ このまま夜更けに辿り 着いたら 閉じた瞳は何を映すかな? いつからか 見えないふりでごまかしている 強がりな茜空 消えていく影 抱きしめて 震えを隠したさざめく街並み ねえ 先行き見えないこの道はまだ 夜の向こうへと続いているの? いつからか知らない明日を 遠ざけている 臆病な茜空 そう 足元見えない道は歩けない 言い訳を探し瞳を閉じる いつまでも知らない明日から 逃げているの 臆病な茜空