17歳、夏の匂いがする頃 あなたは私に ピアスを開けました 湿った空気を深く吸ってベットの上 目を固く瞑った 耳元で「ガチャン」と鳴る 熱を帯びる 私の瞳と耳たぶ 頑張りましたと褒めてくれたよね そうやっていつも あなたは余裕そうで 「思う程痛くなかったわ。」 嘘をついたの 悪い 悪い 悪い 意地を張る悪い癖 痛い 痛い 痛い 本当はすごく痛かったわ あなたは誰より優しく 私の髪を撫でた 耳の縁をなぞり 髪を裏にかけて ピアス越しにキスを落とした 今年の 夏は一足二足も早くて 久しぶりに ピアスを付けてみた Tシャツをくぐる時引っかかって 「あ、痛い。」 目立つ黒い錆びと耳裏のかさぶた 薄い 薄い 薄い あなたが淹れる麦茶は薄い 熱い 熱い 熱い 夏は何もかも膿みやすい わたしが大人になったら あなたとずっとずっと いれたのでしょうか 小さな穴からは 未だにあなたが見える 痛みも収まり 思いの丈を綴り あなたといると 私背伸びをしてしまうの ずっと好きでいて ずっと側にいて 難しいことばかり言ってたね あなたは誰より優しく 私の髪を撫でた 耳の縁をなぞり 髪を裏にかけて ピアス越しにキスを落としたね 私が大人になっても あなたをもっともっと 知ることはないでしょう 小さな穴からは 未だにあなたが見える