駅前でアンケート調査 何で俺ばっかこんな目に バインダーなんか首から下げ 誰からも目をそらされ 見ず知らずの奴になんか 教えるもんかよ個人情報 もう空は薄い藍色 改札越えたら何色? ビルの壁ではタイトルマッチ 日本人初のヘビー級 背広姿がシャドウボクシング 女子高生はそいつを写メ 几帳面が売りの先輩は 奥さんが出ていったらしい 大声でデスク蹴っ飛ばし 大事なデータを飛ばしちゃった “出会い”はあの人にもあって 一緒になったんだろうな どんな出会いだったのか? 何故だか妙に気になった まるで進まないアンケート 自信喪失へこんじゃうよ そんなふうにさけないで ベリー ベリー ストロング いつか 誰かが言ってた ベリー ベリー ストロング 強い絆の話だよ ベリー ベリー ストロング ああ つながってる誰かと ベリー ベリー ストロング いつ どこで 会う? ボクシングはもう2ラウンド じょじょに膨らむ人だかり 誰かが「倒せ!」と叫んで チャンピオンが不敵に笑う 正面から歩いてくる 髪を束ねた女の人は 連敗続きのこの俺に 「いいですよ」と言ってくれた 受け入れられるって嬉しいな! 肩の力も抜けていく 「立っている仕事は大変ですね」 やさしいねぎらいの言葉 ふいに俺は答える「でも 座りっぱなしも大変でしょうね」 自分の仕事が一番 辛いと思う奴にはならない 彼女の親指あたりに マジックのメモ書きで 「シャンプー」 俺は別に何の気もなく それを見て呟いた「シャンプー」 彼女小さな声で「今日、 安いんですよ。忘れないように」 その姿可笑しくて ベリー ベリー ストロング それが 劇的じゃなくても ベリー ベリー ストロング 知りたい 絆っていうやつ ベリー ベリー ストロング ああ つながってる誰かは ベリー ベリー ストロング いま どこに いる? 翌日の新聞には “新チャンピオン誕生”の文字 お祭り騒ぎのワイドショー 知ったかぶりのコメンテーター コンビニでサンドイッチ買って 会社の前で食べ終える パソコンに向かう先輩が 今日は少しだけ笑ってる 「夕べ電話で話したんだ。 ずっと音信不通だったから、 電話でも繋がってたのが 嬉しい」と言って笑った 「どんな風に出会ったんですか?」 俺は素直に聞いてみる 先輩は少年のように 耳まで真っ赤に染めてる 「聞いたら絶対笑うよ」 「大夫夫、笑いません」 十歳も年上の人が その瞬間まるで同級生 「横断歩道で財布を 拾ってあげたのが最初だよ。 陳腐だろ…」と照れた ベリー ベリー ストロング 胸に 鳴り響くティンパニー ベリー ベリー ストロング 強い絆の話だよ ベリー ベリー ストロング ああ つながってる誰かと ベリー ベリー ストロング いつ どこで 会う? ベリー ベリー ストロング 会いたい あなたを見つけたい ベリー ベリー ストロング まだ 気付いてないだけかな… ベリー ベリー ストロング ああ つながってるあなたは ベリー ベリー ストロング もう そばに いる? ベリー ベリー ストロング… ベリー ベリー ストロング…