君に触れ 空気は潤んだ 風止む刹那 雷鳴が轟く春の宵に 曖昧な心の隙間に 差し込んだ薄墨の光 滲んでゆく まだ焦らないで 輪郭に触れて 宵闇に消える儚い記憶 霞む月が夜を染めて 交わした言葉は消えていった 伸ばした右手に残った 淡い残光だけ抱きしめていた 長い沈黙が裂けて求め合った 風止む刹那 春の宵に 移ろう心の隙間に 降り注ぐ薄墨の光 滲んでゆく まだ焦らないで 指先は震えて 宵闇に消える儚い記憶 君に触れ 空気は潤んだ 潤んだ 雷鳴が轟く春の宵に 曖昧な心の隙間に 差し込んだ薄墨の光 風止む刹那 唇を重ね合わせ 二人の呼吸は荒く疼いて まだ終わらないで 輪郭に触れて 宵闇に消える儚い記憶
