空が白みがかる頃 ひとり海へ向かう 真新しいボードには 塗り立てのワックス 日常の怠惰を スーツにねじ込んで 遠慮がちに 波を探す 乗れなくてもいいから ずっと浮遊していたい 頭の中の雑音を 波音が消し去ってく 波と ひとつになって 潮風に吹かれて 海を滑る 何人たりとも 邪魔できない 心地よい瞬間に 体を預けて 水平線の向こうから 絶え間なく生まれる波 掴もうと手を伸ばして 水を掻いてもがくけれど 一瞬で過ぎ去って 泡沫になって溶けてく 日々の出来事と 重ねていた 乗れなくてもいいから ずっと浮遊していたい ふと気づいたら 目の前に大きなうねりが見えた 波と ひとつになって 海に抱かれて 夢を漂う 何も 縛るものは存在しない 心地よい瞬間に 心を預けて 波と ひとつになって 潮風に吹かれて 海を滑る 何人たりとも 邪魔できない 心地よい瞬間に 体を預けて