このまま堕ちていく どこまでも堕ちていく ゆっくり堕ちていく ひらり舞いおちる白が ふいに左の頬の熱を奪った 次に瞼を開けたときには あなたのいないこの世界が 嘘であったらいいのに このまま堕ちていく どこまでも堕ちていく アスファルトに飛び込む雪みたいに このまま堕ちていく ゆっくりと堕ちていく もう一度その手のひらで受けとめて ふわり吐き出された白い息が ひとりでいる現実を突きつけた ひやり感覚無くした手足 それでもこの心臓を 冷ますことはできない みたいね このまま堕ちていく どこまでも堕ちていく 永遠に堕ちていく このまま堕ちていく どこまでも堕ちていく アスファルトに飛び込む雪みたいに このまま堕ちていく ゆっくりと堕ちていく もう一度その手のひらで受けとめて まるでポケットの中みたいに 温かなあなたのその指先で 触れたところから溶け 出してしまいそうな 柔らかなあの日々を 思い出しながら目を瞑った