ここに風はない 羽はもう空に千切れ 錆びたままの籠(かご) いまの気持ちですか いつもそばにいて 眠らせてくれた腕に 覗いちゃいけない 万華鏡の瞳 幸せのためにだけ 歌うことできるのに ひとりでは声が震えて 忘れられそうで 涙の棘 救えない 囀りが聴こえてるなら 私をつかまえて すぐに その指先に乗せて 乗せて 罅(ひび)に包まれた 硝子の水笛のよう 涸れた嘴(くちばし)は 古びた歌ばかり 閉ざされた世界でも 愛はまだ生きられる 二人にはなにが大事か あなたならわかる 涙の棘 救えない 囀りが聴こえてるなら 心をつかまえて すぐに このさみしさにふれて ふれて 戻りたい あの頃に あの微笑みに 誰も近づけないところ 記憶の巣がある 涙の棘 救えない 囀りが聴こえてるなら 私をつかまえて すぐに私を抱きしめて 凍えて しまいそう 暗闇に気づいてるなら 心をつかまえて すぐに この悲しみにふれて ふれて