陽溜りの坂道に立ち止まり 通り過ぎる学生を見ていた 俺もあの頃はあんな風に きらきらと輝いて見えたろう 授業にも出ずにお茶を飲みながら くだらない夢を話した 突然怒った無精髭のおまえも 噂では苦労していると 今も忘れられないのは あの時の言葉 幸せになろうなんて 思っちゃいけない 愛した女一人と 苦労を共にできたなら そんなささやかな人生も きっと悪くはない 夢、散りじり夏は過ぎ去り それぞれの秋 〈♪〉 確か去年の初夏の頃 届いた一通の手紙には 旅好きなあいつのお袋から 痛々しいほどの細い文字 ある雨の朝見知らぬ町で 自ら命を終えたと 母に残した一行の言葉 悲しみだけが人生 今も忘れられないのは あいつの口癖 人は自分の死に場所を 捜すために生きる ささやかに生きている友達の 人生とは一体何だろう 鮮やかに死んだ友達の 人生とは一体何だろう 夢、散りじり夏は過ぎ去り それぞれの秋 〈♪〉 今では二人の思いでも 忘れかけるほどの毎日 ふと立ち止まる道端に 悲しいほど赤い落日 夢、散りじり夏は過ぎ去り それぞれの秋 夢、散りじり夏は過ぎ去り それぞれの秋