好かれていても着飾っていても 満たされない夜があること 知っているさ そんな瞬間だけぼくを 思い出すんだろう 試行錯誤も偏って 固まって間違いさえ恋しい今 不揃いのハンガーみたいに機会逃し 続けている ぶすり刺さって抜けない矢 あの日が命日だったなら良かった それまでの幸も不幸も風が浚って そのままなら良かったのに ずっとなま殺し とどめ一発を待っている 妙にくすんでいる血色も 代わり映えしない食卓も ASMR頼りの毎日の入眠も どうにかしたいよなあ神様 こんな瞬間だけ 一寸信じたくなるんだ 計算は狂うだけ 願えば願う程静かだ 変わりたい戻りたい 出会うまえの二人に 自由を履き違えるぼくを 唯一叱ってくれたきみと 出会うまえに ぐさり刺さって抜けないことばに 下らない嘘を彼此数年吐いている 今日も昨日もあやふやなままで もう空が白んでいく 終らせる度胸もない ずっと互い違い 「大嫌い」を待っている