船は揺れ踵を返して ホタルの街へ レモン色月の満ち欠けで はなしもそこまで そんなときに 吹く風は 君が僕にくれたもの そう呼べるよ 僕の家に固い根を張って ツボミは膨らむ かさぶたのように取れないそれが おかしくて仕方ない おかしくて たまらない 君がそんな風に言うから 何もかもシンプルになるよ ユーモアめいて ユーモアめいて見えるのさ ニュースペーパーをかじったふうの そういうつまらない僕は消えて 楽しい人間のひとりなのさ 船は揺れ踵を返して ホタルの街へ その肩に回された腕が 鎌のように鈍く 光って見える ときもあった 陸続きに歩いていく姿 君が僕にくれたもの そう呼べるよ