あの頃はクルーもまだ活発で セルフパッケージのシングル自主で 出して 出したら即行でオンエアされて 日に日に感じた 両手に確かな手応えを でもそれぞれにそれぞれの家族が増 えた 幸せな家庭 別の道歩き出し 定職と制作 終わる共同生活 シェアハウス解約してクルーは解散 した もうない行き先 もう機材も意味ない 溜めた Beats & Rhymes じゃ腹は満たされない 32歳 あてのない仄暗い未来 その先に光当てるのは自分次第 目指してみようか医学の道 それは茨の道 だけど欲しいのは 日々 なにかに打ち込める揺るぎない意志 俺が生きてるこの命の意味 その頃のバイト先の塾には辞表 最後のお別れは英語の授業でかけた “I Used to Love H.E.R.” 和訳したプリント配ったら めちゃくちゃに怒った塾長 毎月お茶の水で受けるテスト 塗り替えていく先月の自己ベスト 進む 今日も明日も明後日も 日々前に 知識蓄えた 寿命と引き換えに 開館から閉館 図書館の最上階 毎晩救われた彼女の晩ごはん なまった頭のバンドマンもなんとか 青から赤に変わっていったチャート が “Daydream Believer” そう呼ばれるのを聞いた でも研がれた牙 携えて前進した 怠け者の俺はもう死んだ 矢のように時は過ぎ 迎えた初めての winter 順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り 巡り 繰り返し 東京 偉大なこの街 順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り 巡り 繰り返し 東京じゃ春は来ないし 悪くない手応え ゴールはもう目の前 高校の頃の点も抜いたセンター試験 だけど前だけを見て 次の壁は別次元 そして今の俺の持てるすべて出した 二次試験 だけど まったく結果は出ず 目標の東京の学校は全部 その年も その次の年も全滅 ペーパーができても 越えられない面接 模試の結果はいつもA判定 でも合格発表では「えっ、なんで? 」 年齢のハンデ? 夢にさえ思わねえ ゴールテープごとずらされるなんて 東京にこだわれば確実に落ちる 地方を受ければ彼女とは離れる 身も心も引き裂く究極の選択 俺は後者を選んで飛行機に乗り込ん だ 合格発表のページにはついに俺の番 号があった 間違いじゃない シャワー浴びてた彼女にプロポーズ をして びしょ濡れのまま泣きながら抱き合 った 友達に両親 そしてこの街に 愛すべき人たちと過ごせた日々に 遠くてもたまに来てよ遊びに 感謝を残し訪れた旅立ち 順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り 巡り 繰り返し 東京 偉大なこの街 順調じゃなくていいから 天才じゃなくていいから 堂々巡り 巡り 繰り返し 東京じゃ春は来ないし