悲しくもなく ただ情けなくて俯いて 轍と足跡で泥まみれの 一昨日の雪に苛ついた 手を繋ぎ歩くような 綺麗なもんじゃないけれど 走馬燈のような思い出 少しだけ滲んだ 別に何も変わることはない 詮無い生活 が続くだけだぜ なんて狐と葡萄みたいなこと 吐き捨てるほど 虚しくなんだな いつかの君が纏った白無垢の雪は 暖かで柔い真綿のようでした いま僕の上に降って 脆く崩れてくそれは 重く冷たい涙のようなみぞれでした アスファルトの泥を撥ねて 忙しく駆けずる人の群れの中 失うはずのないものを失い その残滓に縋りついていた 君にそれを告げられた朝 僕の表情は間抜けていただろう 想像しただけで笑えてくるのに 君は少しも笑わなかったな 優しい記憶だけ抱いて眠りたいのに アルコホルじゃ この目は冴えてしまうのだ 街を這いずり回って ただくだ巻いても虚しい 君に触れたい いつかの君が纏った白無垢の雪は 暖かで柔い真綿のようでした いま僕の上に降って 痛みをぼかしてくれたのは 重く冷たい涙のようなみぞれでした せわしい街の只中なるしめやかさよ