この切っ先が 何に触れたか この切っ先が 何を斬ったか 継承の度に 生まれる逸話 その度ごとに移ろう名前 罪人の試し斬り 髭まで斬れて この名前 まあ 名前はどうでもいいけどね 古より巡り巡り 人ならぬ者とも 相まみえた 久遠を揺蕩い 辿り着いたのは 誰かの隣 罪人の試し斬り 膝まで斬れて この名前 うむ、 兄者よ俺の名前は? 「え~と」 「……」 遠い間 渡り渡り 人ならぬものさえ 斬ってきた 弥久(びきゅう)を彷徨い 辿り着いたのは 誰かの隣 双つの軌跡 その太刀筋 似ているようで 似てなくて 埋めたいのは 時が生みだした この空隙 双つの軌跡 その太刀筋 光の源 受ける鏡 ほどきたいのは 時が絡ませた 絆