楓や二人を染めて どうか散らないでください 写真には朱の紅葉 陰る君の顔 いつもと違うことくらい 僕にも解ります 終わりの足音が聞こえてくるように 枯れ葉が風にまかれてゆく どんな言葉も許しも 木枯らしに掻き消されるがまま 楓や二人を染めて どうか散らないでください 揺蕩う恋慕 秋の空に 居場所を失ったこの心は ひらり何処へ 月の光のように儚く 求めた理想形は 手を伸ばし掴みかけた時 音もなく消えた 知らない君を一つ一つ知ってゆく 其れに心色づいた日々 追憶の時に微睡み 凭れ掛かって少し眠ろう 楓や時間を止めて どうかこの場所に留めて 愛されし記憶を照らせ その光に揺れて僕は ひらり何処へ 綺麗だね 君が遠い目をした刹那 続けたのは思い出話 出会った頃からのこと 紅葉の散りゆく姿に 重ねて 楓や二人を染めて もう一度笑ってみせて 真実と裏腹にきっと 気づかぬ振りをしてみせるから 楓や二人を染めて ねえ最後の一枚まで 燃え上がる恋慕のように 無理な願いでも構わない どうか美しい物語で 終わらせて