夏夜に、ふわりと 線香花火の燃え殻が揺れ 夏より好きになれないよ 君の事をずっと 蒸しぬるい夜、君が居ない家は ただ眠りにつくだけの部屋 どれだけ一緒に居たって 同じ人間じゃないんだって もういいよ。分かったよ。 今年も花火は見れないね 「気にしてないよ」 優しいフリだけして 頷きながら ベランダで1人火をつけた 去年の香りが 夏夜に、ふわりと 線香花火の燃え殻が揺れ 夏より好きになれないよ 君の事をずっと待っていたのに 待っていたのに。 「今年も何処も行けなくても、 気にしてないよ」 半端な嘘ついて 下向きながら 「ごめんね」ってもう言わないで 悲しくなるじゃんか ああ、ただ幸せを見つけられたらさ 泣く事も無かったの? 何にもないただの帰り道も 教えてくれた曲も映画も 好きだったのよ 普通の特別だったの 瞳に映した 扇風機越しの君の横顔 何より好きになりたかった 君の事を全部 想っていたのに 待っていたのに。