真っ暗な有隣堂 夜はちょいと不気味ね 疲れた 顔ばっか 関内駅へと急ぐ 終電も過ぎれば そこはホストだらけさ 行き場をなくした似たもの同士の町 モール内には露天商が いくつも軒を連ねて 花売りのハス向かいに座った 誰もが自分の居場所を求め 彷徨い続けてた 笑っちゃうな イセザキ町にいろいろ忘れてきた そんな気がして 足を止めた 行く先々で思い出してしまうんだよ 夜中の景色の イセザキの町を 靴磨きのおばあちゃん お好み焼きの屋台 花売りの兄さんと姉さん ステーキ屋のマスター 同じ時の中 僕たちは居た みんなもうここには居ないや って そりゃそうか 野毛のなじみで仲間と 一杯引っ掛けてる時に 僕に気づいた紳士がこう言った 『君のことは 桜木町で歌ってた頃から 知ってるよ』 ……そりゃ人違いだ 憧れだけで夢を見れたあの頃 もう戻れない そう思った あじろの裏の路地でタバコを吸った さぁウチへ帰ろう 夜が明ける前に イセザキ町にいろいろ忘れてきた それは紛れもなく あの日の僕だった 行く先々で 思い出してしまうんだろう 夜中の景色の イセザキの町を