春茜さしたこの部屋 あの日初めて書いた歌詞を覚えてる 染まるこの街は嫌いじゃないけれど 見えない明日が怖くなる 昨日貰ったアルバムは置いていくよ 白いページに書かれた言葉も 知らないで 春を追い越して今夜ここを出るよ 高く飛び立って見下ろした街はもう 消えてくよ このまま朝日に辿り着くまでここに 背を向けて旅に立つ逆燕 また君を刺した春の棘 いつか聴かせてくれた曲は忘れたよ ここから出てくと言った後ろ姿は どこか強がっている気がしたよ 旅立つ鳥の跡をそっと濁して 書いた言葉は途中でやめた まだ桜は咲いてなかった 何も言えなかったあの日に 言葉足らずだったあの夏に きっと埋めた言葉の端を掴んで 眠る街を蹴って走る夜 通り抜けた影 足跡を消さないで 春を追い越した君はもう風の中 錆び付いた足で駆け抜けた街をさ 春を追い越して今夜ここを出るよ 高く飛び立って見下ろした街はもう 消えてくよ この先どこかでまた会えるなら 今日は 手を振るよ旅に立つ逆燕 いつの日か春が咲くその日まで
