白々とあける空を 受け入れては飲み込み ビタミン剤噛み砕き コーヒーで流し込む バスを待つあたしはいつも 荒れた唇ばかり気にして 太陽に背を向けて 慌てて世界に飛び出して 変わる気圧配置が 鼻の奥をかすめた 白い泡を残して 底の方に沈んだ 間の悪いあたしはいつも 長い前髪ばかり気にして 大粒に降り出した雨も きっと何も気づかない 誰だってそうだろ 明日の先に何かあると信じて いつだってそうだろ 時は日の沈む方へと ただほどけていくんだ 『夢は追いかけるものなのに なぜあたし達はいつも 何かに追われているんだろう やりたいこと できること 限られた時間の中で 一体何ができるんだろう 自分だけの何かを見つけたいのに いつも他人の評価ばかり 気にしている そんなもどかしい時間はいつだって そう…無慈悲にも 流れていってしまうのに』 赤いレンガの粉を 虹のようにばら撒き 西の空に出た星は 鈴のように笑った 暗がりであたしはいつも 光る端末だけを気にして 足に縫い付けられた 灰色の影は誰のもの? 誰だってそうだろ 明日の先に何かあると信じて いつだってそうだろ 時は日の沈む方へと ただほどけていくんだ 時は日の沈む方へと ただほどけていくんだ