冴え冴えと闇の中 外待雨が嘘のよう 頼りない指切りで また今宵も君を待つ 「会えるなら会いましょう」 日が蕩け落ちた後に 燻らしては消えていく その香りしか知らない この夜が終わるまで側にいて 朝焼けが見えたなら もういらない この身に落ちた一粒でさえ 今は遠くて 朧に歪む 縋り付く手は強く 「夢が覚めないように」と 長い睫毛を伏せた 君は何も言わない この夜が終わっても側にいて なんて ここまできたら もう言えない この身に落ちた一粒でさえ 煩わしくて 澄んだ水面の空明を切る 「あなたみたいね」君が笑った 「明日の朝は一人なんだね」 この夜が終わるまで側にいて 朝焼けが見えたなら もういらない この身に落ちた一粒でさえ 今は遠くて 朧に歪む 君が見る月