染まり始めた いちょう並木 少し離れて君は歩く あの日と同じ肌寒い風が 今日は 切なく頬を掠める 合わない歩幅に立ち止まって 振り返る君は笑いながら 「ごめんね ありがとう」と呟いた 唇はかすかに震えていた 君の願い事だったら 全部 叶えたいと思えてたのに どうしてさよならだけは 受け入れられそうにないんだろう どこで間違ったんだろう 予想通りの君の言葉 なのに 上手く答えられずにいる 多分それは もう 君のいない日々を 想像さえできないから 傷つけ合う度 わかり合って 終わりなんてこないと思い込んでた 君だけに見えている未来に 僕だけいられない理由 探しても 行き場のない悲しみは 少しずつ胸を染め上げていく あの日 交わした約束も 後悔になってくんだろう 右へ 左へ 舞い落ちる楓 その奥で僕に小さく振る手 これが君との 季節のラストシーンと思ったら 今さら溢れ落ちてく涙 君の願い事だったら 全部 叶えたいと思えてたのに どうしてさよならだけは 受け入れられないんだろう どこで間違ったんだろう 行き場のない悲しみは またひとつ胸を染め上げていく 愛すべき人も上手く 愛せなかった僕を愛してくれた君を 失くしたまま 生きてくことができるかな 右へ 左へ 舞い落ちる楓 その奥に君はもういなくて 右へ 左へ 舞い落ちる楓 どの未来にも君はいないんだね