「元気ですか?相も変わらず 私は変わっていないよ」 独り言が宙に消える 誰もいない黄色いベンチ ひとりぼっちの夢を見てる 寂しいことなんてないよ あれからもう あなたの声がしてる 遠い夏の日に 二人愛してた のらりくらりの穏やかな日が ギザギザの心を丸くしてったんだよ 夏の匂いが追いかけてくるよ 線香花火 浴衣の袖を照らしてる あなたのことを思い出すときは 少しすっぱくて若すぎる果実のよう あの頃の私がもし あなたの言葉の裏側を もう少し考えられたら 忘れようとすればするほど 忘れられないものだけど 本当に忘れてしまったら悲しいから いつでも思っていた 人が思うより そんないいもんじゃないよ けど今思えば それなりだった 私の誰にも負けない青春だった 学生服の夏休みのように 見違えるほど 変わることもできるかもな 日焼けした肌 もう白いけれど 私の体 何が通り抜けてったの 愛しい日々に眠る 宝石の山は光り続けない もう充分に時は満ちて キラキラの心にも埃が 積もったんだよ 夏の匂いが追いかけてくるよ 重なる手と手 あなたの体温感じてる あなたのことを思い出すときは 時がたっても同じ気持ちでいたいよ