蝉の声が 遠くでゆれて コンビニ前 君を待ってた 制服の袖まくる仕草 なんでもない夏の午後 ねぇ、ずっとこのままがいいな 言えたら少し変わってたかな 雲の形 見上げてた 君の横顔ばかり見てた 青にとけた午後に 名前をつけて 思い出にならないように 目をそらしたその一瞬に たぶん、恋してた 風が吹いて 髪が揺れて 時間だけが過ぎていった ねえ 君は覚えてる? あの夏の、午後のこと 買ったばかりのアイスがとけて 笑いながら君がかじった "ちょっと食べる?"って差し出す手 ドキドキ、うまく笑えない ねぇ、もしも手をつないでたら きっと今も隣にいたかな 夕立の匂いの中で 言えないまま 夏が終わる 青にとけた午後に 名前をつけて 思い出にならないように 目をそらしたその一瞬に たぶん、恋してた 風が吹いて 髪が揺れて 時間だけが過ぎていった ねえ 君は覚えてる? あの夏の、午後のこと 帰り道、二人の影 だんだん長く伸びてく 何も言わず並んでた それだけが幸せだった 青にとけた午後に 名前をつけて 忘れたくない想いを 心の奥で今もそっと あの日のまま眠ってる 風が吹いて 思い出して 時計の針が巻き戻る ねえ 君は覚えてる? あの夏の、午後のこと 光にとけた声が 空に響いて 「さよなら」をやっと言えたよ すこし痛いこの胸の奥 それも、愛だった 青い午後が 手を振ってる もう振り返らなくていい ほら 新しい風が吹く 次の夏へ、歩き出すんだ