熱い風に光が舞う 唐紅の空はまだ遠く 夏の日はかりそめの ゆらり漂う蓮の一雫 裂いた紙に描き殴る 黒く塗りつぶす 氷のような眼差しもさ すぐにも熱に溶けてしまうさ 広い高気圧に巻かれたあの娘の姿 岩に染み入る波の音に耳を澄まそう カーニバルは夜更に向かい車輪を 回し続け 月は炎熱の裏側で 涙流すマーメイド 花火に願いを 過ぎる夏ゆくのは流れ星 セイルがかき分けたひととき やがてはくる眠気も知らずに からだは答え合わせ 明日も風にまかせ そう誰も分かったように踊る 踊る 浅い夢見心地 淡く縁取り 変わっていく日々の虚しさだとか 寂しげな顔で言う嘘だとか 半分に割ってくれたなら この夜に返そう カーニバルは夜更に向かい車輪を 回し続け 陽射しに焼けた砂はこぼれ 裸足のマーメイド 醒めることない魔法 ただそばにいたいと気まぐれに誘う 輝くスターライト 悲しみに名前をつけた夏ゆくのは なんだか絵ばっかり描いてた あの頃まだ何にもない部屋 光で埋め尽くされた夏を描いた 長い旅の終わりに あの海を泳いでいくの ひとりに理由なんかないよ 流れ着いた 岸辺はあたたかだといいね そこに待ってる人いるといいね 涙流すマーメイド 覚えていなくちゃと 記憶のハイライト 水際に踊る 真夏のマーメイド 花火に願いを 過ぎた夏ゆくのは