空の随に 怯えては隠れる小さな芽 冷たい雨がこの街に鳴いた 眠りを待つ虚空の夜に 月明かりに照らされた 今日もひとりぼっち 誰の目にも触れない 僕にも花が咲いたら 色のないガラクタを 並べた世界に生まれた 光の射す空の青さを 恋焦がれて夢見た 時が僕を睨んで うつつを視界に写した 小さな芽に少女は傘をさす 「もう大丈夫、見つけたよ君を」 ♪ 影に揺蕩う 枯れかけた芽を見つけた少女 冷たい雨が悪戯に滲む ずっと探していた 君は花を咲かす 負けないで 守るから私が まだ色のない芽を庇う どんなに世界が阻もうと 私の声星を辿って隣にいるよ 君が笑うまで 沈んでいく 凪の底に (願いをこめて) 少女は立つ 錆色の羽を傘にして 抗うことを恐れ 何もかもを突き放した 常闇の果て 僕は花を咲かす 色のないガラクタを 並べた世界に生まれて 未来を射す花の青さを 誰も咎めはしない 空に色が無くても 光が僕を導いた 青い花に少女は傘をさす 「もう大丈夫、君がいれば 世界は随に染まるから」