「冬が好きで夏は嫌い」 きみが言って笑った 張り詰めた吐息は溶けて (その)吹き出しに釘付け 「冬にしか咲かない花が あったっていいんじゃない」 そう言って目を逸らした 二月二十日、帰り道 きみは分かっていないよ、 分かっていないよ ふたりの残した足跡は深く 交わって離れてを繰り返していく もしもこの記憶が雪に埋もれても 忘れてしまえばなんてことのないも のでしょう 瞳に浮かぶのはきまって (その)透明な横顔 薄紅色に染まる頬は きみらしくはないけど ほんとうは憶えていたいよ 憶えていたいよ あの夜に言った言葉はぜんぶ 頭にこびり付いて離れないけれど 「いつかどこかで、 また逢えたなら」 あの日の二人を宙に映し出す夕焼 (何回だって願うよ きみと離れてもずっと 心はあの街にそっと 寄り添えるように 何年経ってもいいよ 星影にだって願いを 心はあの夜にそっと 寄り添えるように) 何回だって願うよ きみと離れてもずっと 心はあの街にそっと 寄り添えるように 何年経ってもいいよ 星影にだって願いを 心はあの夜にそっと 寄り添えるように