「靴だけは良いものを履きなさい。」 と言った母の気持ちが 最近はなんだか理解りかけてる気がする ひとりで生きると決めた日には 真っ赤なアディダスのスニーカー 生きるっていう不確かなこと 鼓動が沸き立つ真っ赤な赤 ズタボロの茶色い便所サンダルを ゴミ箱に突っ込んで その後に広がる世界 「止まってるんじゃねえか?」ってほど クリアに見えてきた 俺たちは靴を履いて走っていく 俺たちを走らせるのはその靴だ 良い靴を履いて行け! 丈夫な靴を履いて行け! 高価そうじゃなくてもいいんだ 本当に美しい靴を 心がズタボロになっていく 自分に嫌気が刺してしまうけど そんな時には太陽の色 オニツカタイガーのスニーカー 笑い合うという不衛生なこと 照らしてひっぱたく カツ カツ カツ カツ 地面を削っていく その度 心も削れてしまうけど 擦り切れた踵 走ったその距離 髪を揺らした風の香り それだけは裏切らない それだけを信じていけ 俺たちは靴を履いて走っていく 俺たちを走らせるのはその靴だ 良い靴を履いて行け! 丈夫な靴を履いて行け! 高価そうなものは見せかけだ 見せかけで生きているわけじゃない 俺たちは心を履いて走っていく 俺たちを走らせるのはその心だ 良い心を履いて行け! 丈夫な心を履いて行け! 誰にも惑わされずに生きることは辛かろうとも 太陽よりも血は赤く そして、その血よりもお前は強く走っていく