貴方は覚えていますか? カーテンの向こう側、 オレンジは海に沈んだ。 トモダチを背景に 透明のレイヤーに手を、重ねた。 幾重にも。 唇も。 アルコールランプを吹き消して、 もう眠ろう。 あしたもせかいがありますように。 ふっ と見上げれば2F廊下の窓辺から貴方 が空を 多分 いや きっと、泣いていた。 気づかないフリをして 私は校庭を抜けていく。 少し早足? だって、わたしも きっと泣いていた。 例えばさ 夜空に浮かぶ幾千の星が 瞬く間に消えて 私 生まれ変わるのなら もう一度 この惑星を 私を選ぶのは きっと、もう一度貴方に 鳴らしたリフレイン この間何人かでヒヤカシに行った あいつの上演会。 あの時あの娘ったら 私の方ばかり見ていた。 ビニール傘を挟んでいく。 恋人みたいに 少し躊躇った後、 貴方は私に訊ねた。 「君ハ静カニ大人ニナリ、」 永遠をなくした雨の中、 貴方と私の薬指の銀色が光り、 告げる。 長い長い夢の終焉を。 喝采を頂戴(アンコール プリーズ) 『呼んだ?』 って返事は無い。 それでも呼んだ喚んだ詠んだ。 稲妻を。 来い‼︎‼︎‼︎ 夜空に浮かぶ幾千の星が 瞬く間に消えて 私 生まれ変わるのなら もう一度 この惑星を 私を選ぶのは きっと、もう一度貴方に恋したいの 散っていく華も綺麗だと、 ふっ と見上げれば思う。 夕闇は星に掻き消されて、 束の間の永遠も消える。 「ねぇ、知ってる? 雨の降り方を。 明日には止んで、いつか、 降り出すの。」 私は覚えているよ。 伝えられたことも、 伝えられなかったことも。 実像として(残像として?)、 確かに私は存在していました。 アルコールランプを吹き消して、 おやすみ。 また、来世。 あしたもせかいがありますように。