少し栗色にそまった 長い髪の毛をなびかせて しらみかけた街の中を 駆けて行くあのひと どうせ人の世はさよなら どうせ別れだけあるんだと 年令のわりにさめた顔で つぶやいたあのひと そんなものかと思い しみじみ うしろ姿の あのひと見つめ にがい煙草を ふかしているうちに せつなさだけ こみあげて来る ああグッバイのマリアだと 名のったひとよ 別れだけじゃない 別れだけじゃない 二人だけで生きることも 出来るはずじゃないか おいで もう一度戻って まだ夜のうちだから 人の裏切りもつらいし 人を裏切れば悲しいし だからいつも 逃げて行くと さびしげなあのひと セピア色をした景色の 中にいる時が気楽だと 船の汽笛 海の匂い 愛してたあのひと 暗い瞳で見れば すべてが 暗く沈んで 見えるはずだよ 馬鹿におなりよ 楽しいこともある むなしさだけ 感じちゃ駄目さ ああグッバイのマリアだと 名のったひとよ 別れだけじゃない 別れだけじゃない 二人だけで生きることも 出来るはずじゃないか おいで もう一度戻って まだ夜のうちだから おいで もう一度戻って まだ夜のうちだから