今夜 血を見たいと舌と肌で話し合 うべきなのだろうか そうなら小さく衿を正し 一席設けてどう切り出すか 実際私が居る世界は 洗うと少しは縮むらしく 合成剤を吐息で溶かす 家庭に有る寝息で事足りる 裏の余白名前書いた 形だけはかなり出来た 後は任せたまえ なんてあんたよくも言えたもんだ なんだかんだ口ばかりだからな 用事済ませるふりをしていた あまりに堂に入っていた 騒ぎ足りないのならば 良いぜ 聞こうか続きを かじかんだ声は あの傷が突っ張っているからだろう ずいぶんとしゃべり辛そう 聞き取れた部分は少なかった ただ確かな情報だけを伝えようとし ている様は これまでの道のりすら窺い知れた からかい甲斐が無い位だな と戸惑う君かもしれない 返す言葉を忘れたら そっと笑ってくれないか? その微笑みが如何なる時も私を抱い てくれたから 今でも綴り織る様に 呼吸を止めないで居られた かじかんだ声が熱を帯び始めた 身体は唸りを上げる 無名の奏と言葉を舐めるな 今夜 血を見たいか?舌と肌よ どうやら世間は勧めてる そうなら大きな間違いだと 封じたその手を下げるべきだ 実際私が欲するのは 瞬時に巡って しまう様な温かい物が通う会話 それを冷やす事にだけは長けた彼等 には 届かぬ会話だ 彼女等に届かぬ会話だ この意味が分かるか? 無名を纏う奏と言葉を舐めるな