またねと手にした 証を握って歩けば これで最後かと 見送る音が響く 明日からのこと 考えては背を向けていた 交わした言葉も 短く味気ないまま 咲く淡雪 触れて消えた 跡形もなく 歩き慣れた この坂道を 去ることに揺蕩ってしまう 明日のせいにして塞いでいた時も 泣き笑った愛しい日々も 全てが一瞬でなくなってしまう そんな気がしていたんだ 大切なことは やり過ごして演じること 教えてくれた日 なぜだか苦しかったな いつからだろう 曇っては消え 見失っていった 行き場のないこの虚しさを 吐くことさえ失くしてしまう 誰かのためとか気遣ってみても 人知れずに悩んでみても 全てが一瞬で無になってしまう そんな気がしていたんだ いつか 足並みを揃えていた ページの端っこに せめてもの現し身と 残した飛燕草 ねえ、今僕たちは 手にしているのかな あの日 忘れていた無意識と 例え知れずとも ここまでの明日が荒んでいても 人知れずに望んでみれば 全てが一瞬で明け立ってしまう そんな気がしていたんだ そんな気がしてしまった